乙女ゲームのことやら色々よろずに日々思いついたことなどをつらつら書いております。ノーマルも勿論好きですが、腐ってるのも好きなので、苦手な人は注意。
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どうにもこうにも期末テストの期間になって参りました。その間、天ちゃんは葉月くんを遊びに誘ったり、コスプレを作ったりと色々忙しかったのですが、ちゃんと勉強もしていました。ただ・・・。
「あなた・・・そこ範囲違うわよ」
「えっ?!!」
有沢さんに言われて気付く天ちゃん。気付いたはいいが、時既に遅し。テスト当日であった。
「ど、どうしよ~!全部範囲が違ってる!!」
「・・・あなた、どうやったら範囲を間違えるの?今まで習った範囲全部なのに」
「そんなの分かんないよぉ~」
そんな奇跡を起こすのが天ちゃんである。もちろん、勉強してないところが解けるはずもなく・・・。
後日。
「つ、追試だなんて・・・」
がっくりと肩を落とす天ちゃん。
「元気出しなさいよ。追試なら挽回出来るでしょう?私も手伝ってあげるから」
「志穂ちゃん・・・ありがとう!!」
有沢さんを気軽に『志穂ちゃん』とこの時点で呼べるようになっているのは、ある意味すごいことかもしれない。
そして有沢さんとのお勉強会を一週間みっちりして、追試に臨んだ。そして追試と言えば、お約束の面々が・・・。
「あれ?鈴鹿くんだ」
「何だ、お前も追試か」
「私は範囲間違えただけなの!本当はもっと点数取れるんだもん!!」
「へ~、あんたがあの有名な『天ちゃん』か」
「あなたは・・・?」
「姫条まどか。女みたいな名前やねんけど、実は・・・」
「え?!女の子なの?!随分とがたいがいいねぇ!!」
「・・・いや、男やねん」
「へ?」
「おい、姫条、こいつに冗談は通じねえだろ」
「ジョウダン?」
「こいつほどがたいがいい女がいたら恐いだろ」
「た、確かに・・・」
「なかなかにおもろい子やな~」
「姫条、騒いでいないで席に着きなさい。追試を始めるぞ」
氷室先生指導下のもと追試が始まった。氷室先生の前でカンニングなどするものはいないであろう。
「先生、出来ました」
「早いな」
「一生懸命勉強しましたから」
天ちゃんは残り時間10分残して提出した。そしてその場で付けられた点は・・・。
「満点だ」
「やったぁ!!」
「うっわ、マジ?」
「あんた、意外にすごい子なんやなぁ」
「だから、今回は範囲間違えただけなんだって」
「・・・どうやったら範囲を間違えるのか教えてほしいものだな」
氷室先生につっこまれる。有沢さんと同じ質問だが、これに答えられる人は誰一人としていないだろう。永遠に謎だ。
こうして天ちゃんの期末危機は無事終了した。
「あなた・・・そこ範囲違うわよ」
「えっ?!!」
有沢さんに言われて気付く天ちゃん。気付いたはいいが、時既に遅し。テスト当日であった。
「ど、どうしよ~!全部範囲が違ってる!!」
「・・・あなた、どうやったら範囲を間違えるの?今まで習った範囲全部なのに」
「そんなの分かんないよぉ~」
そんな奇跡を起こすのが天ちゃんである。もちろん、勉強してないところが解けるはずもなく・・・。
後日。
「つ、追試だなんて・・・」
がっくりと肩を落とす天ちゃん。
「元気出しなさいよ。追試なら挽回出来るでしょう?私も手伝ってあげるから」
「志穂ちゃん・・・ありがとう!!」
有沢さんを気軽に『志穂ちゃん』とこの時点で呼べるようになっているのは、ある意味すごいことかもしれない。
そして有沢さんとのお勉強会を一週間みっちりして、追試に臨んだ。そして追試と言えば、お約束の面々が・・・。
「あれ?鈴鹿くんだ」
「何だ、お前も追試か」
「私は範囲間違えただけなの!本当はもっと点数取れるんだもん!!」
「へ~、あんたがあの有名な『天ちゃん』か」
「あなたは・・・?」
「姫条まどか。女みたいな名前やねんけど、実は・・・」
「え?!女の子なの?!随分とがたいがいいねぇ!!」
「・・・いや、男やねん」
「へ?」
「おい、姫条、こいつに冗談は通じねえだろ」
「ジョウダン?」
「こいつほどがたいがいい女がいたら恐いだろ」
「た、確かに・・・」
「なかなかにおもろい子やな~」
「姫条、騒いでいないで席に着きなさい。追試を始めるぞ」
氷室先生指導下のもと追試が始まった。氷室先生の前でカンニングなどするものはいないであろう。
「先生、出来ました」
「早いな」
「一生懸命勉強しましたから」
天ちゃんは残り時間10分残して提出した。そしてその場で付けられた点は・・・。
「満点だ」
「やったぁ!!」
「うっわ、マジ?」
「あんた、意外にすごい子なんやなぁ」
「だから、今回は範囲間違えただけなんだって」
「・・・どうやったら範囲を間違えるのか教えてほしいものだな」
氷室先生につっこまれる。有沢さんと同じ質問だが、これに答えられる人は誰一人としていないだろう。永遠に謎だ。
こうして天ちゃんの期末危機は無事終了した。
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高校に入って初めての体育祭。天ちゃんはどの競技に出ても良かったのだが、クラスメートが天ちゃんの実力は分からないが、普段ドジなので得点の比較的低いパン食い競争に出した方がいいと考えた為か、天ちゃんはパン食い競争に出ることとなった。
「何のパンなのかな・・・」
勝つことより、パンが何なのかを気にしてる天ちゃん。勝ち負けには拘らない主義だ。
「いちについて・・・よーい、どん!」
スタートの合図が響く。天ちゃんはスタートをきった。そしてそれと同時に歓声が響いた。
実は天ちゃん、とてつもなく速い。中学時代は陸上部に助っ人を頼まれるほどだ。
パンをあっと言う間に咥え、ゴールまでぶっちぎった天ちゃん。氷室クラスとして恥じない結果だ。
「すごいねぇ、天ちゃん。ぶっちぎりだね」
「ありがとう、珠ちゃん」
天ちゃんは咥えていたパンを持って、考えていた。誰かにあげようかどうしようか。そしてちょうど葉月くんが目に入った。
「葉月くん!」
「・・・?」
「これ、あげる」
天ちゃんはパンを半分渡した。
「ああ・・・さっきは速かったな」
「えへへ・・・」
「これ、ありがとな。じゃあ、俺も出番だから」
「うん、頑張ってね!」
もちろん、天ちゃんは力いっぱい葉月くんを応援した。葉月くんもまた運動神経がいいので、一番をとった。
実際天ちゃんはヒーロー扱いされてもおかしくないはずなのだが、どうも速すぎてみんな引いてしまったようだ。パン食い競争では有り得ない速さだった。
そして恒例?のフォークダンスをラストにする。天ちゃんは氷室先生やら鈴鹿くんやらとあたったが、最後の方で葉月くんと踊れた。
「葉月くんと踊れたー!!やったー!!」
「天ちゃんって本当に葉月くんのこと好きだね」
「うん!!珠ちゃんは好きな人と踊れた?」
「う、うん・・・」
「良かったね!!」
こうして体育祭は無事終わった。
「何のパンなのかな・・・」
勝つことより、パンが何なのかを気にしてる天ちゃん。勝ち負けには拘らない主義だ。
「いちについて・・・よーい、どん!」
スタートの合図が響く。天ちゃんはスタートをきった。そしてそれと同時に歓声が響いた。
実は天ちゃん、とてつもなく速い。中学時代は陸上部に助っ人を頼まれるほどだ。
パンをあっと言う間に咥え、ゴールまでぶっちぎった天ちゃん。氷室クラスとして恥じない結果だ。
「すごいねぇ、天ちゃん。ぶっちぎりだね」
「ありがとう、珠ちゃん」
天ちゃんは咥えていたパンを持って、考えていた。誰かにあげようかどうしようか。そしてちょうど葉月くんが目に入った。
「葉月くん!」
「・・・?」
「これ、あげる」
天ちゃんはパンを半分渡した。
「ああ・・・さっきは速かったな」
「えへへ・・・」
「これ、ありがとな。じゃあ、俺も出番だから」
「うん、頑張ってね!」
もちろん、天ちゃんは力いっぱい葉月くんを応援した。葉月くんもまた運動神経がいいので、一番をとった。
実際天ちゃんはヒーロー扱いされてもおかしくないはずなのだが、どうも速すぎてみんな引いてしまったようだ。パン食い競争では有り得ない速さだった。
そして恒例?のフォークダンスをラストにする。天ちゃんは氷室先生やら鈴鹿くんやらとあたったが、最後の方で葉月くんと踊れた。
「葉月くんと踊れたー!!やったー!!」
「天ちゃんって本当に葉月くんのこと好きだね」
「うん!!珠ちゃんは好きな人と踊れた?」
「う、うん・・・」
「良かったね!!」
こうして体育祭は無事終わった。
天ちゃんは鼻歌を歌いながら、歩いていた。その表情は非常に可愛らしいのだが、問題はその鼻歌だ。「あんなに一緒だったのに(ガンダムSEEDのEDテーマ)」・・・全然明るくない。
そして天ちゃんはある人だかりを見つけた。
「何だろ、あれ・・・」
女の子達がキャーキャー騒いでいる。アイドルか何かいるのだろうか。しかし今の天ちゃんにとっては葉月くんこそアイドルである。アイドルに興味はない。興味はないが、何故かそこに行かなくてはいけない気がした。天ちゃんは割りと本能で行動する子なので、本能のままその人だかりに近付いていった。
「ちょっと、そこのあなた」
「え?」
「あなたよ。あ・な・た!」
「私に何か御用ですか?」
そしてそのオカマっぽい人は天ちゃんをまじまじと見つめた。天ちゃんは居心地が悪いなぁとは思いつつ、抵抗はしなかった。
「顔もスタイルもいいのに何か足りないわ・・・そうね。あなた、このサイトを見なさい」
「は、はぁ・・・」
「では失礼」
あっと言う間に去ってしまった。
誰だか分からないので、人に聞いてみた。
「あなた、知らないの?ファッションデザイナーで有名な花椿先生よ!」
「・・・椿先生か・・・」
最初の方を聞き取れなかったらしい。そして帰ってからサイトにアクセスしてみた。
「・・・本当に有名な人なんだね・・・オシャレについてか・・・今後の参考にしよう」
花椿先生ともう一度再会し、花椿先生の経営する店で働くようになるのは、もう少し先のお話・・・。
そして天ちゃんはある人だかりを見つけた。
「何だろ、あれ・・・」
女の子達がキャーキャー騒いでいる。アイドルか何かいるのだろうか。しかし今の天ちゃんにとっては葉月くんこそアイドルである。アイドルに興味はない。興味はないが、何故かそこに行かなくてはいけない気がした。天ちゃんは割りと本能で行動する子なので、本能のままその人だかりに近付いていった。
「ちょっと、そこのあなた」
「え?」
「あなたよ。あ・な・た!」
「私に何か御用ですか?」
そしてそのオカマっぽい人は天ちゃんをまじまじと見つめた。天ちゃんは居心地が悪いなぁとは思いつつ、抵抗はしなかった。
「顔もスタイルもいいのに何か足りないわ・・・そうね。あなた、このサイトを見なさい」
「は、はぁ・・・」
「では失礼」
あっと言う間に去ってしまった。
誰だか分からないので、人に聞いてみた。
「あなた、知らないの?ファッションデザイナーで有名な花椿先生よ!」
「・・・椿先生か・・・」
最初の方を聞き取れなかったらしい。そして帰ってからサイトにアクセスしてみた。
「・・・本当に有名な人なんだね・・・オシャレについてか・・・今後の参考にしよう」
花椿先生ともう一度再会し、花椿先生の経営する店で働くようになるのは、もう少し先のお話・・・。
「ねえ、葉月くん!カラオケ行こうよ!!」
「・・・いいけど。いつ?」
「今度の日曜日!」
「分かった」
「駅で待ち合わせね!」
「ああ・・・」
天ちゃんは葉月くんをカラオケに誘った。デートをしたかったというのもあるのだが、どうしても歌いたい曲があったのだ。
当日。
「お待たせ~」
「別に、そんなに待ってない。お前、その服・・・」
「へ、変かな・・・?」
「いや。いいな、それ。好きだよ、そんなの」
葉月くん、それちょっとロリなファッション系なんですけど、大丈夫ですか?好きとか言ったら、天ちゃんのフリフリ度が更に増しますよ?似合ってるか似合ってないかで聞かれたら、間違いなく似合ってるけど、セクシーとはほど遠い格好。
「じゃあ、行こう、葉月くん」
天ちゃんはウキウキしながらカラオケに向かった。
「最初に歌っていい?」
「ああ」
天ちゃんが入れたのは、「白き瞑目の残像(by藤原泰衡)」。カラオケの盛り上がりを手助けする曲じゃない。
ー重くなる瞼が見たものは
水面に消え行く波紋
誇らしく咲いた真っ白き蓮
永遠の残像よ♪ー
死ネタソングです。間違いなく死ネタソングです。それをノリノリで歌う天ちゃんは何者?葉月くんはどういうことだかよく分からず、とりあえず聞いてる。
「あれ?葉月くん、曲入れないの?」
「・・・いい。お前、楽しそうだし。見るのも面白い」
「そ、そんなに変顔で歌ってる?」
「いや、楽しそうだ」
「そ、それなら遠慮なく歌うよ」
そこから天ちゃんの遙かオンパレードの曲で続いていった。カモメにならないかいとかも恥ずかしげもなく歌った。普通の人なら引いてるだろうが、葉月くんは歌の内容よりも天ちゃんに見入っていたので、全然問題なかったようだ。実際、葉月くんにとって女の子として見てるのは昔から天ちゃんだけだ。恋は盲目とはまさにこのことである。
その日の終わり。
「ごめんね、葉月くん。私だけ歌っちゃって・・・」
「いや、楽しかった。また・・・」
「?」
「・・・何でもない。じゃあ、気をつけて」
「うん!またね!葉月くん!!」
どうしてもう相思相愛なのにも関わらず、全く気が付かない二人なのだろう。そしてそれはこれからも長らく続いていく・・・。
「・・・いいけど。いつ?」
「今度の日曜日!」
「分かった」
「駅で待ち合わせね!」
「ああ・・・」
天ちゃんは葉月くんをカラオケに誘った。デートをしたかったというのもあるのだが、どうしても歌いたい曲があったのだ。
当日。
「お待たせ~」
「別に、そんなに待ってない。お前、その服・・・」
「へ、変かな・・・?」
「いや。いいな、それ。好きだよ、そんなの」
葉月くん、それちょっとロリなファッション系なんですけど、大丈夫ですか?好きとか言ったら、天ちゃんのフリフリ度が更に増しますよ?似合ってるか似合ってないかで聞かれたら、間違いなく似合ってるけど、セクシーとはほど遠い格好。
「じゃあ、行こう、葉月くん」
天ちゃんはウキウキしながらカラオケに向かった。
「最初に歌っていい?」
「ああ」
天ちゃんが入れたのは、「白き瞑目の残像(by藤原泰衡)」。カラオケの盛り上がりを手助けする曲じゃない。
ー重くなる瞼が見たものは
水面に消え行く波紋
誇らしく咲いた真っ白き蓮
永遠の残像よ♪ー
死ネタソングです。間違いなく死ネタソングです。それをノリノリで歌う天ちゃんは何者?葉月くんはどういうことだかよく分からず、とりあえず聞いてる。
「あれ?葉月くん、曲入れないの?」
「・・・いい。お前、楽しそうだし。見るのも面白い」
「そ、そんなに変顔で歌ってる?」
「いや、楽しそうだ」
「そ、それなら遠慮なく歌うよ」
そこから天ちゃんの遙かオンパレードの曲で続いていった。カモメにならないかいとかも恥ずかしげもなく歌った。普通の人なら引いてるだろうが、葉月くんは歌の内容よりも天ちゃんに見入っていたので、全然問題なかったようだ。実際、葉月くんにとって女の子として見てるのは昔から天ちゃんだけだ。恋は盲目とはまさにこのことである。
その日の終わり。
「ごめんね、葉月くん。私だけ歌っちゃって・・・」
「いや、楽しかった。また・・・」
「?」
「・・・何でもない。じゃあ、気をつけて」
「うん!またね!葉月くん!!」
どうしてもう相思相愛なのにも関わらず、全く気が付かない二人なのだろう。そしてそれはこれからも長らく続いていく・・・。
「天ちゃん、部活動はどうするか決めたの?」
何故だか天ちゃんのあだ名は学園中にすぐに広まってしまったので(本名よりも早く)、天ちゃんはあだ名で呼ばれるのがすっかり定着してしまった。
そして今話し掛けてきたのは、同じクラスの珠ちゃん。天ちゃんとはすぐに仲良くなれた。雰囲気も何となく似ている。しかし珠ちゃんは天ちゃんほどミラクルなことは起こさない。むしろ程よいぐらいの天然だ。
「手芸部に入ることにしたの!」
「天ちゃん、手芸が得意なの?」
「得意っていうか・・・趣味」
天ちゃんは生粋のコスプレイヤーだ。よくコスプレ衣装を作るので、いっそ部活動として活かそうという魂胆だ。
「珠ちゃんはどうするの?」
「私は男子バスケ部のマネージャーをしようと思って」
「すごいねえ・・・今度見に行っていい?」
「うん、いいと思うよ」
そして数日後、天ちゃんは本当に来た。手芸部がバスケ部より少し早く終わるのは天ちゃんも分かっていた。だから来たのだ。
「珠ちゃん、どこかなぁ」
きょろきょろと体育館を眺めていると、一人の男子が声をかけてきた。
「お前、そんなところで何してんの」
「ほえ?」
天ちゃんでも一応名前を知っていた。何故なら珠ちゃんの口から頻繁に出てくる名前だからだ。
「えっと・・・鈴鹿くんだっけ?」
「そうだけど」
「珠ちゃんはどこですか?」
「あんた、紺野の知り合いか」
「無二の友です」
「・・・へえ」
普通の女子高生からは聞かないような言葉が出てきて、鈴鹿には難しかったようです。とりあえず友達というのは分かったようなので、珠ちゃんを呼んでくれた。
「天ちゃん!本当に来たの?」
「うん!鈴鹿くんが珠ちゃんを呼んで来てくれたの」
「よく鈴鹿くんって分かったね。顔知らないのに」
「だっていつも頬にバンソーコー貼ってる人って言われたら、誰だって分かるよ。葉月くんをモデルって言ってるようなぐらい分かるよ」
天ちゃんは時々妙なことを言い出すので、そこはスルーしてあげよう。
「やっぱり大変そうだね、バスケ部のマネなんて」
「そんなことないよ。バスケしてるの見るの好きだし」
「そうだよね、生足って萌えるもんねv」
「え?」
そこから天ちゃんの生足トークが始まった。それが終わる頃には洗濯物やら何やらいっぱいあった。
「あ、そろそろ仕事が・・・ごめんね、天ちゃん!」
「ううん。ごめんね、話し込んじゃって・・・」
「じゃあ、また明日ね!」
「うん!」
また明日と言ってくれるあたり、珠ちゃんは優しい。これまでの天ちゃんのトークを聞いて、まだ友達でいてくれるらしい。それほど天ちゃんのトークはヤバイものだった。
「さて、帰ろうかな・・・て、きゃあっ!」
足元にあったバスケットボールで派手に転ぶ天ちゃん。お約束だ。
「う~・・・痛いよぅ・・・」
「悪い、大丈夫か?」
「た、多分・・・」
どうやら鈴鹿が放置していた物らしい。
「お前、天って名前なのか?変な名前だな」
「いや、名前じゃなくてあだ名・・・」
「じゃあな!天!」
「だから名前はそうじゃ・・・」
否定しそこねた。しかも何の手当てもしてもらえなかった。
ちょっと拗ねながら帰ろうとすると葉月くんに会った。
「あれ?葉月くんも部活?」
「いや、俺、帰宅部・・・」
「じゃあ、何でこんな時間に?」
「・・・寝てた」
「いいなぁ・・・気持ちいいだろうな・・・」
「・・・寝たかったら寝たらいいだろう」
「駄目。部活あるもん」
「何部?」
「手芸部だよ」
「・・・手芸部は顔面に怪我するのか?」
鼻の頭が擦りむけているのは、誰がどう見ても分かる。
「そ、それはさっき転んで・・・」
何だか恥ずかしくなって顔を隠す天ちゃん。しかし肝心の鼻が隠れてない。
「ちょっと待ってろ」
「へ?」
葉月くんはしばらくすると戻ってきて、濡らしたハンカチで天ちゃんの鼻の頭を拭いてくれた。実はこれ、猫の刺繍入り。
「ありがとう、葉月くん!」
天ちゃんはもう死んでもいいような気分だった。大好きな葉月くんが天ちゃんの為にハンカチを濡らしてくれた。そして何より猫の刺繍という美味しい設定付きだ。もうそれはそれは嬉しそうに微笑んだ。天ちゃんは美少女なので、微笑むとまるで天使のようである。
それを見た葉月くんは赤くなった顔を逸らした。
「・・・もう暗いから送る」
この言葉を聞いた天ちゃんはもう天国に行くような気分だった。
「うん!ありがとう、葉月くん!!」
何故だか天ちゃんのあだ名は学園中にすぐに広まってしまったので(本名よりも早く)、天ちゃんはあだ名で呼ばれるのがすっかり定着してしまった。
そして今話し掛けてきたのは、同じクラスの珠ちゃん。天ちゃんとはすぐに仲良くなれた。雰囲気も何となく似ている。しかし珠ちゃんは天ちゃんほどミラクルなことは起こさない。むしろ程よいぐらいの天然だ。
「手芸部に入ることにしたの!」
「天ちゃん、手芸が得意なの?」
「得意っていうか・・・趣味」
天ちゃんは生粋のコスプレイヤーだ。よくコスプレ衣装を作るので、いっそ部活動として活かそうという魂胆だ。
「珠ちゃんはどうするの?」
「私は男子バスケ部のマネージャーをしようと思って」
「すごいねえ・・・今度見に行っていい?」
「うん、いいと思うよ」
そして数日後、天ちゃんは本当に来た。手芸部がバスケ部より少し早く終わるのは天ちゃんも分かっていた。だから来たのだ。
「珠ちゃん、どこかなぁ」
きょろきょろと体育館を眺めていると、一人の男子が声をかけてきた。
「お前、そんなところで何してんの」
「ほえ?」
天ちゃんでも一応名前を知っていた。何故なら珠ちゃんの口から頻繁に出てくる名前だからだ。
「えっと・・・鈴鹿くんだっけ?」
「そうだけど」
「珠ちゃんはどこですか?」
「あんた、紺野の知り合いか」
「無二の友です」
「・・・へえ」
普通の女子高生からは聞かないような言葉が出てきて、鈴鹿には難しかったようです。とりあえず友達というのは分かったようなので、珠ちゃんを呼んでくれた。
「天ちゃん!本当に来たの?」
「うん!鈴鹿くんが珠ちゃんを呼んで来てくれたの」
「よく鈴鹿くんって分かったね。顔知らないのに」
「だっていつも頬にバンソーコー貼ってる人って言われたら、誰だって分かるよ。葉月くんをモデルって言ってるようなぐらい分かるよ」
天ちゃんは時々妙なことを言い出すので、そこはスルーしてあげよう。
「やっぱり大変そうだね、バスケ部のマネなんて」
「そんなことないよ。バスケしてるの見るの好きだし」
「そうだよね、生足って萌えるもんねv」
「え?」
そこから天ちゃんの生足トークが始まった。それが終わる頃には洗濯物やら何やらいっぱいあった。
「あ、そろそろ仕事が・・・ごめんね、天ちゃん!」
「ううん。ごめんね、話し込んじゃって・・・」
「じゃあ、また明日ね!」
「うん!」
また明日と言ってくれるあたり、珠ちゃんは優しい。これまでの天ちゃんのトークを聞いて、まだ友達でいてくれるらしい。それほど天ちゃんのトークはヤバイものだった。
「さて、帰ろうかな・・・て、きゃあっ!」
足元にあったバスケットボールで派手に転ぶ天ちゃん。お約束だ。
「う~・・・痛いよぅ・・・」
「悪い、大丈夫か?」
「た、多分・・・」
どうやら鈴鹿が放置していた物らしい。
「お前、天って名前なのか?変な名前だな」
「いや、名前じゃなくてあだ名・・・」
「じゃあな!天!」
「だから名前はそうじゃ・・・」
否定しそこねた。しかも何の手当てもしてもらえなかった。
ちょっと拗ねながら帰ろうとすると葉月くんに会った。
「あれ?葉月くんも部活?」
「いや、俺、帰宅部・・・」
「じゃあ、何でこんな時間に?」
「・・・寝てた」
「いいなぁ・・・気持ちいいだろうな・・・」
「・・・寝たかったら寝たらいいだろう」
「駄目。部活あるもん」
「何部?」
「手芸部だよ」
「・・・手芸部は顔面に怪我するのか?」
鼻の頭が擦りむけているのは、誰がどう見ても分かる。
「そ、それはさっき転んで・・・」
何だか恥ずかしくなって顔を隠す天ちゃん。しかし肝心の鼻が隠れてない。
「ちょっと待ってろ」
「へ?」
葉月くんはしばらくすると戻ってきて、濡らしたハンカチで天ちゃんの鼻の頭を拭いてくれた。実はこれ、猫の刺繍入り。
「ありがとう、葉月くん!」
天ちゃんはもう死んでもいいような気分だった。大好きな葉月くんが天ちゃんの為にハンカチを濡らしてくれた。そして何より猫の刺繍という美味しい設定付きだ。もうそれはそれは嬉しそうに微笑んだ。天ちゃんは美少女なので、微笑むとまるで天使のようである。
それを見た葉月くんは赤くなった顔を逸らした。
「・・・もう暗いから送る」
この言葉を聞いた天ちゃんはもう天国に行くような気分だった。
「うん!ありがとう、葉月くん!!」