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乙女ゲームのことやら色々よろずに日々思いついたことなどをつらつら書いております。ノーマルも勿論好きですが、腐ってるのも好きなので、苦手な人は注意。
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2024/11/26 (Tue)                  [PR]
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2007/06/01 (Fri)                  十六夜の月の日に 第10話
 将臣と会った日、九郎は覚悟を決めた。
 例え、この命が儚くなろうとも、これ以上、戦を拡大させないということ。その為なら、鎌倉とも戦うと決めたのだ。誰が何を言おうとこの答えを覆すことはない。

「本当にいいのか、九郎」
「ああ・・・平泉の軍と共に戦わせてくれ」
「・・・平和に生きるという選択肢もあるのだが?」
「元から平和というのを知らぬ身だ。戦に生きて、戦に散る。そう決めたのだ」

 九郎はこの決断に後悔などしていなかった。

「お前は昔からそうだな・・・自分の意志を変えようとはしない。・・・いいだろう、この平泉の為に存分に力を尽くすがいい」
「ああ」

 後悔などしていない。するはずがないのだ。

『九郎さん、私達の世界は戦なんか何も無くて、すごく平和なんですよ。確かにまだ争っているところもあるけど、私の住んでる国は平和で・・・戦で死ぬことも傷付くこともなくて・・・人を傷つけなくてもいいんですよ』

 望美がこんなことを言っていたのを思い出す。
 望美の言う平和というのがどういうものか、見てみたいと思ったことはたくさんあるし、今でもきっとそうだ。
 誰も傷付かず、傷付けず・・・それで済む場所というのはどういうものなのだろう、戦がない世とはどういうものなのだろう、そんなこことに思いを馳せてみたこともある。
 でも、それを選ばないと決めたのも自分で、後悔などはない。

(将臣・・・)

 あの時、寒い中待っていた将臣もまた、平和な世を知っているのだろう。一度でいいから、将臣と同じ目線でものを見れたら、どんなんに幸せだろうと、叶わない願いを願っている自分もいるけれど・・・。


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2007/06/01 (Fri)                  十六夜の月の日に 第9話
 将臣は平泉の近くまで来ていた。しかし、これ以上は近づけない。何故なら平家のものが平泉に入ったと知られると不都合だ。平家にとっても、平泉にとってもそうだろう。しかし、それでは将臣の目的は果たせない。だから、将臣は夜、内密に抜け出すことにした。

「知盛にぐらい言った方がいいかもしれねえけど・・・」

 どうせ滞在時間などほとんどないに等しい。別に問題はないだろう。
 そう思い、平泉の地に足を踏み入れた。


「えっと、九郎の邸は・・・っと」

 あらかじめヒノエに貰っていた地図を頼りに歩き続ける。
 しかし、着いたはいいが、九郎のいる様子がなかった。どうも留守にしているようだ。

(仕方ねえ。しばらく待つか・・・)

 寒い中、将臣は待っていた。今まで南国の方にいたせいか、やけに寒く感じる。しかし、将臣は待っていた。九郎にどうしても会いたかったから。
 やっと九郎らしき人物が帰って来るのが見えた頃、将臣はすっかり冷え切っていた。

「やっと帰ってきたか・・・」

 九郎が将臣に気付くと馬から降りて、こう言った。

「ど、どうしてお前がここに・・・」
「よう・・・どうしてって会いたかったからに決まってんだろ」
「ふ、ふざけるな!!平家のお前が俺に何の用だ!!」

 九郎は平家のを強調して言った。やはり簡単に固定観念は消えないものである。

「お前が無事かを確認しに来たんだよ、今日はな」
「今日は?」
「九郎・・・俺と一緒に平家に来ないか?」
「ば、馬鹿なことを言うな!!そんなの無理に決まっているだろう!!」
「説得なら俺がする。だからお前は何も考えず、ついてきたらいいんだよ」
「そういうわけには・・・!」
「九郎・・・俺はお前が好きだ。だから、お前を放って、自分だけのんびり生きているなんてごめんなんだよ」
「しかし・・・」
「来いよ、九郎」
「・・・断る」

 九郎は顔を歪めて言った。つらそうに、何かを我慢しているように・・・。

「・・・平家を・・・お前をもう一度戦に巻き込むのは嫌だ・・・もう、誰にも傷付いてほしくないんだ・・・兄上は平家がまだ反乱の意志があるととれば、きっと平家を本当に滅ぼすだろう。だから・・・断る」
「九郎・・・」
「それに平泉にも恩を返さなくちゃならない。色々世話になったし、こんな俺を匿ってくれている。・・・逃げろと言った弁慶には悪いが、俺は俺一人、のうのうと生きているのは嫌なんだ」
「・・・」
「だから・・・さよならだ、将臣。もう2度と来ないでくれ」

 将臣はそれからどうやって帰ったのか、具体的には覚えていない。

「失恋より・・・ショックだな・・・」

 九郎を助けられる存在ではなかったということがとても悲しかった。

「・・・有川・・・」
「知盛・・・今日は早いんだな、起きるの」
「どこかの誰かさんが勝手に出て行ったからな・・・」

 心配されていたのか、と将臣は思ったが、あえて礼を口にはしなかった。知盛はそういうのを望んではいないだろうから。

「逢瀬に失敗したようだな・・・」

 そう、失敗したのだ。2度と戻せないのではないかと思うほどに・・・。



2007/05/30 (Wed)                  十六夜の月の日に 第8話
「・・・」

 泰衡は内密に渡された手紙を読んでいた。
 差出人は還内府。九郎のことについて書かれていた。

 (九郎を助けるために、こちらに渡してほしい・・・か)

 この手紙の内容を簡単に信じられるほど、泰衡はお人好しではない。しかし、弁慶が言い残したことが気になる。

『還内府に事情を説明して下さい。きっと助けてくれます』

 あの弁慶が騙されたということはないだろう。しかし敵は敵だ。信用していいものかは疑うべきだ。

 (しかし・・・)

 鎌倉優勢のこの状態で九郎をここに残しても危ないだけではないだろうか。ここは賭けてみる方が得策か・・・。

 (・・・どちらも失うよりも・・・)

 泰衡は九郎のもとへ向かった。


「九郎」
「泰衡?何用だ?」
「・・・これを読め」

 泰衡はあの手紙を渡す。

「これは?」
「還内府からの書状だ」
「!!」

 九郎は食い入るようにそれを読んだ。表情もいつもと違う。

 (・・・なるほどな)

 泰衡は九郎と還内府の繋がりをある程度見定めた。

「九郎」
「・・・なんだ」
「還内府のもとへ行くがいい」
「?!」
「このままここにいてもどうしようもなかろう。お前が鎌倉と戦えるとも思えんしな」
「・・・俺に平家に寝返れというのか?」
「そうだ」

 その方が九郎の為だと泰衡は思う。しかし、九郎は首を縦に振らなかった。

「嫌だ。それだけは絶対にしない」
「・・・九郎」
「俺は源氏だ。平家になど行っても仕方ない」

 九郎の表情は重かった。まるで決断に迷っているように・・・。

「・・・まあいい。じっくり考えてみるといい」

 泰衡はそう言って部屋を出る。

「・・・俺が平家に行けば・・・今度は平家が狙われる・・・将臣に迷惑をかけていいはずがない・・・」

 その言葉は小さかったけれど、泰衡の耳に確かに届いた。


2007/05/30 (Wed)                  今日はあえて小説を語る・・・
だって王ロマの番外編読み終わったんですもん☆ 感想とか語りとかしたいし☆☆
とにかくジークにときめく自分。素晴らしい!!素晴らしすぎる!!なんか最近伯妖のレイヴンといい、従者キャラ好きだな、私!!
とにかくジークが出たら、集中力倍増。ジーク×エヴァ、ジーク×アリアとかいいと思うんですよ!!アレックスより、全然いい男だと思うのに何故あいつはモテてるんだろう・・・やっぱり優しそうだから? まぁ、報われてないですけどね、彼(笑)
もっとエヴァとの昔の話が知りたいなぁ・・・ジーク。
そして二次創作サイトを探してみてもあまりありませんねぇ・・・。全くなかったわけではないのが、唯一の救いかな?(笑)
そんで、仕方ないので、自分で補給することにします。おそらく、私にとってジークは動かしづらいキャラだとしても!!! 萌えパワーでどうにかしてみせます!!
あ、ジークのことしか語ってなかった(笑)
2007/05/29 (Tue)                  十六夜の月の日に 第7話
 奥州への旅はつらかった。というより、しんどい。鎌倉側の警戒もあり、奥州へ入りづらかったところ、偶然にもヒノエと会った。あちらもお忍びのようだったので、乗せてもらうことにした。半ば無理やりではあるが・・・。

「そういや、あんた達は聞いた?弁慶が死んだっていう噂」

 それを聞いた時、真っ先に思い浮かんだのは九郎のことだった。大切な友人を無くして傷付いているのではないか、もしくは九郎の身に何かあったのではないか・・・そんなことを思った。
 次に浮かんだのは望美のこと。あいつは弁慶を好いていた。こんなことを望んでいるはずがない。知ったらきっと悲しむ。
 そんなことを考えて寝たせいだろうか、夢に望美が出てきた。

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

 どうして謝るのだろう。こいつが悪いことなんかしてるはずがないのに・・・。

「九郎さん・・・ごめんなさい・・・助けてあげられなくて・・・」

 どうして九郎が出てくるのだろう。俺の夢だからだろうか?俺がそう思ってるから・・・だからなのか?

「あの人の願いも・・・叶えてあげられない・・・」

 あの人とは弁慶のことだろうか。
 分からないが、昔から望美が泣くと、どうしてだか泣いてほしくないと思う。恋愛感情とかそういうのじゃなくて、でも大切だからだ。

「望美!!」
「・・・将臣くん?」
「九郎ことは俺がどうにかするから、だから、泣くな!!」

 遠くにいるから聞こえないかもしれない。俺も望美がどういう表情をしたかなんて詳しくは見えない。でも、わずかに微笑んだ気がした。

「・・・夢だよな」

 外に出るとここは船の上で、どこまでも青が続いていた。

「そういえば・・・昨日は満月だったな・・・」

 望美に会えたのはそのせいかもしれない。ろくな会話は出来なかったけど。
 でも約束をしたんだ。九郎のことは俺がどうにかするって。
 約束はちゃんと守るから・・・だから、望美、安心しろ。
 迷惑ではない。むしろ、九郎を守りたいという気持ちは真実なのだから、口実が出来たことに喜んでる自分がいる。

 必ず守るから・・・。


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