乙女ゲームのことやら色々よろずに日々思いついたことなどをつらつら書いております。ノーマルも勿論好きですが、腐ってるのも好きなので、苦手な人は注意。
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「忍人さんの好きな物を知りませんか?」
千尋がそんな質問をしながら天鳥船を練り歩いていることは、不思議と忍人の耳にも届いていた。が、千尋が何故それを聞いて回っているのかについては忍人には見当もつかず、疑問は増えていくばかりだった。
そして噂をすれば影というもので、忍人がそんなことを考えていると、丁度千尋と同門の兄弟子二人(しかも厄介な二人)がそれについての話している場を見てしまい、咄嗟に隠れる。普段ならば堂々と出ていくのだが、されたくない質問があり、それは間違いなくされるだろうことを忍人は予測がついていたので、隠れるのが良いと判断した。
「やっぱり忍人さんの好きな物が分からないよお……」
珍しく間延びした話し方をしている千尋は、心底分からないと言った風だった。
「そもそも、忍人自体無趣味ですし、好きな食べ物もありませんからね」
風早が慰めるようにそう口にしたが、まるで忍人が悪いような雰囲気がある。
悪かったな、無趣味で。と忍人は内心悪態を吐いた。
「いっそ我が君自身を贈ってみてはいかがでしょうか?忍人も嘸や驚くことでしょうし、我が君の望むさぷらいずにとやらも叶いますよ」
何を馬鹿なことを言っているんだ、柊。と隠れているのを忘れて言いそうになるのを忍人は咄嗟に堪える。
「柊、寒っ!私をプレゼント、なんて有り得ない、有り得ないよ!」
そこまで必死に否定しなくても……と思うくらい千尋は全否定した。
「俺も反対です。千尋の貞操に何かあったらどうする気ですか」
風早が忍人に対して全く信頼していないことが露呈した。
(俺は野生の動物か何かか……)
そこまで見境なく手を出したりしない。しない筈。
「ですが、どうします?忍人の欲しい物だなんて、実用的な物しかないと思いますが……」
柊の言う通りだった。忍人もふと欲しい物を思い浮かべてみたが、そういえば予備の武器が減っていたから足しておきたいだとか、青物を食事に増やしたいだとかそんなことばかりで、自分自身の欲しい物というのがないのだ。そういうことを考えたのも今が初めてかもしれない。
勿論、贈り物を喜ばない程、忍人は冷酷ではないし、貰うことがあれば嬉しく思うだろう。
しかし、そこから先がないのだ。求める未来はあるが、物欲があまりになかったことに忍人は改めて驚いていた。それで自分の主君を困らせているのだから情けない。
「……そろそろ出てきてもいいのではありませんか?忍人」
「!」
「えっ?!」
千尋が驚いた声を上げたのと同時に忍人も驚いていた。戦場でほどと言わずとも気配を消していたというのに、兄弟子に気付かれていたことに忍人は苦虫を噛んだような顔をした。
「あ、あの、忍人さん、今の話聞いてました?」
「……ああ、すまなかったな。立ち聞きをしてしまって」
「い、いえ、それは、いいんですけど……」
千尋は意を決した表情をして忍人に向き直る。
「忍人さん、欲しい物はありますか?」
その言葉が聞きたくなかった。答えられないのを知っていたからだ。
「欲しい物など……そもそも、聞いてどうするんだ?」
「忍人さんの誕生日に贈り物を……」
「贈り物?」
「生まれた日をお祝いするんです。生まれてきてくれてありがとうって……」
千尋からのその言葉を喜ばない者などいないだろう。忍人はそれだけで十分だと伝えようとしたが、千尋は更に言葉を続けた。
「言葉じゃなくて、ちゃんと残る物をあげたいんですっ」
だから教えて下さい、と千尋が懇願するものだから、忍人も答えざるを得ない。だが、忍人には欲しい物はないわけで。
ふと、忍人はあることを思い付いた。
「……君の、」
「……?」
「君の好きな物が欲しい」
「あのー……一応、私の好きな物を用意したんですけど、本当にこれでいいんですか?」
「ああ。ありがとう」
風早が言ったように忍人は無趣味であるし、欲しい物もない。だが、平和な世になれば何か変わるかもしれないし、その時は千尋の好きな物を共有したいと思った。唯一無二の主君であり、何より大切な女性の好きな物を共有したいと――。
<あとがき>
当社比で相当甘くなっております^ ^
俺、これ思いついた時、「キタ!」って思ったんですけどね。けれど駄文は駄文でしかないですし、この先の展開が甘過ぎて放り投げました。甘いの書いてるとうわああああああああ!!!ってなります。なんか、甘いの書ける人尊敬します。文才以前に駄文でも甘いの書けないので。誰か助けて!
と、とりあえず忍人さん誕生日おめでとう!!
千尋がそんな質問をしながら天鳥船を練り歩いていることは、不思議と忍人の耳にも届いていた。が、千尋が何故それを聞いて回っているのかについては忍人には見当もつかず、疑問は増えていくばかりだった。
そして噂をすれば影というもので、忍人がそんなことを考えていると、丁度千尋と同門の兄弟子二人(しかも厄介な二人)がそれについての話している場を見てしまい、咄嗟に隠れる。普段ならば堂々と出ていくのだが、されたくない質問があり、それは間違いなくされるだろうことを忍人は予測がついていたので、隠れるのが良いと判断した。
「やっぱり忍人さんの好きな物が分からないよお……」
珍しく間延びした話し方をしている千尋は、心底分からないと言った風だった。
「そもそも、忍人自体無趣味ですし、好きな食べ物もありませんからね」
風早が慰めるようにそう口にしたが、まるで忍人が悪いような雰囲気がある。
悪かったな、無趣味で。と忍人は内心悪態を吐いた。
「いっそ我が君自身を贈ってみてはいかがでしょうか?忍人も嘸や驚くことでしょうし、我が君の望むさぷらいずにとやらも叶いますよ」
何を馬鹿なことを言っているんだ、柊。と隠れているのを忘れて言いそうになるのを忍人は咄嗟に堪える。
「柊、寒っ!私をプレゼント、なんて有り得ない、有り得ないよ!」
そこまで必死に否定しなくても……と思うくらい千尋は全否定した。
「俺も反対です。千尋の貞操に何かあったらどうする気ですか」
風早が忍人に対して全く信頼していないことが露呈した。
(俺は野生の動物か何かか……)
そこまで見境なく手を出したりしない。しない筈。
「ですが、どうします?忍人の欲しい物だなんて、実用的な物しかないと思いますが……」
柊の言う通りだった。忍人もふと欲しい物を思い浮かべてみたが、そういえば予備の武器が減っていたから足しておきたいだとか、青物を食事に増やしたいだとかそんなことばかりで、自分自身の欲しい物というのがないのだ。そういうことを考えたのも今が初めてかもしれない。
勿論、贈り物を喜ばない程、忍人は冷酷ではないし、貰うことがあれば嬉しく思うだろう。
しかし、そこから先がないのだ。求める未来はあるが、物欲があまりになかったことに忍人は改めて驚いていた。それで自分の主君を困らせているのだから情けない。
「……そろそろ出てきてもいいのではありませんか?忍人」
「!」
「えっ?!」
千尋が驚いた声を上げたのと同時に忍人も驚いていた。戦場でほどと言わずとも気配を消していたというのに、兄弟子に気付かれていたことに忍人は苦虫を噛んだような顔をした。
「あ、あの、忍人さん、今の話聞いてました?」
「……ああ、すまなかったな。立ち聞きをしてしまって」
「い、いえ、それは、いいんですけど……」
千尋は意を決した表情をして忍人に向き直る。
「忍人さん、欲しい物はありますか?」
その言葉が聞きたくなかった。答えられないのを知っていたからだ。
「欲しい物など……そもそも、聞いてどうするんだ?」
「忍人さんの誕生日に贈り物を……」
「贈り物?」
「生まれた日をお祝いするんです。生まれてきてくれてありがとうって……」
千尋からのその言葉を喜ばない者などいないだろう。忍人はそれだけで十分だと伝えようとしたが、千尋は更に言葉を続けた。
「言葉じゃなくて、ちゃんと残る物をあげたいんですっ」
だから教えて下さい、と千尋が懇願するものだから、忍人も答えざるを得ない。だが、忍人には欲しい物はないわけで。
ふと、忍人はあることを思い付いた。
「……君の、」
「……?」
「君の好きな物が欲しい」
「あのー……一応、私の好きな物を用意したんですけど、本当にこれでいいんですか?」
「ああ。ありがとう」
風早が言ったように忍人は無趣味であるし、欲しい物もない。だが、平和な世になれば何か変わるかもしれないし、その時は千尋の好きな物を共有したいと思った。唯一無二の主君であり、何より大切な女性の好きな物を共有したいと――。
<あとがき>
当社比で相当甘くなっております^ ^
俺、これ思いついた時、「キタ!」って思ったんですけどね。けれど駄文は駄文でしかないですし、この先の展開が甘過ぎて放り投げました。甘いの書いてるとうわああああああああ!!!ってなります。なんか、甘いの書ける人尊敬します。文才以前に駄文でも甘いの書けないので。誰か助けて!
と、とりあえず忍人さん誕生日おめでとう!!
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